東京藝術大学による瀬戸内海分校プロジェクトという、アーティストとともにフィールドワークや作品制作、展覧会の準備・開催に至るまでの一連の流れを実践的に学ぶプロジェクトが2022年度から始まっている。
細かいことはここで説明するより公式サイトを見てもらった方が早いし正確なのでそちらを参照していただければと思います。
2024年度は「ひと⇄うみ」展という展示が最終的なアウトプットとなっていました。アーティストと、中学生・高校生らがチームを組んで進めてきたプロジェクトの様子は3階でビデオ上映されていました。
他にもInstagramのアカウントでもその様子は見られるようなので、2025年度のプロジェクトの様子を追いかけたい方は要フォローですね。
「ひと⇄うみ」展が開催されたのは香川県高松市庵治町にある「香川大学芸術未来研究場せとうち」という令和6年8月9日にできた新しい施設です。
場所はあじ竜王山公園の北側の海岸沿い、竹居岬の少し東側です。
相変わらず庵治方面の海は綺麗です。
建物は出来たばかりとあってとても綺麗でした。海に近い場所なので潮風などで劣化が早いかもしれませんが、少しでも長く綺麗な場所であって欲しいと思います。
臨時駐車場の案内があったのでそこに車を停めていざ展示場へ。「ひと⇄うみ」展のポスターもかわいいですが、この芸術未来研究所のロゴもいい感じ。
この看板の前で係の人からパンフレットとアンケート用紙を受け取って中に入ります。
アンケート用紙の写真を撮るのを忘れましたが、展示ひとつひとつにコメントを入力する欄があって、なかなか大変でした。クリップペンシルだったのもあり、なかなかうまく文字が書けないのも苦労しました。
展示の1階で一番最初に目に飛び込んできたのがこちら。
ドーン!
写真の解像度が荒い訳ではありません。海ゴミのひとつである牡蠣の養殖で使われているパイプやペットボトルのキャップなどを用いて大漁旗を模した作品です。
あの小さなパイプが牡蠣の養殖で使われているものだと知ったのは移住して少し経ってからのことでした。自宅近くの海にも牡蠣の養殖で使われているパイプが大量に流れつくので、とても惹かれるものがありました。
続いての展示はこちら。
一言で言えば「その人を構成する要素を1枚の絵(背負わせ)であらわしたもの」という感じでしょうか。今回は「ひと⇄うみ」展なので海と関わり合いが深い人にインタビューをして描いたものだそうです。
右側の方の構成要素はこんな感じ。香川大学の54歳の職員さんだそうです。
自分だったらどんな構成要素になるのかなぁと考えながら見るのが楽しかったです。
インタビューをして、下絵を描いて、また少しブラッシュアップをしてという感じで描いていくそう。僕の場合は「妻・カピバラ・カメラ・PC周辺機器…」あとはなんだろう?
そんなことを考えながら二階へ上がります。エレベーターもありましたが階段で。
光の差し込み方と白い壁が綺麗でついつい一枚撮ってしまいました。
二階の展示はこちらの「Beacon [Tourbillon]」作品から。
これそのものが展示ということではなく、この122台のカメラで撮影した『モノ』が展示となっていて、夜になると建物の壁にプロジェクションマッピングのように投影されるらしい。
残念ながら暗くなるまで滞在することはできなかったのでモニターに映る様子だけを見てきました。
何年か前に3Dスキャンという名目でこういった装置を目にすることがあって、どうしてもそのカメラの台数×金額などを考えてしまったりします。
また、これらの表現を可能にするネットワーク構成やシステムの方に興味が行ってしまうのは職業病かもしれません。
二階のもうひとつの展示は写真を撮り忘れてしまいましたが、海ゴミを組み合わせたものをグレースケールの写真にするとまるで多種多様なプランクトンに見えてくるというものでした。
また、展示もピラミッド型の三角錐の側面に写真が貼られていて、それ自体が海の生態系を表現しているかのような作品でした。
三階は冒頭に紹介したビデオが上映されていて、その前に椅子があったのでそこに座ってアンケートを書きました。
三階は眺めも良く、そこから見える景色自体が「ひと⇄うみ」を感じさせる展示っぽいなぁなんてことを思ったりもしました。
展示ひとつひとつに色々な想いが込められ、また、その作品のみではなくそれらを作りあげる過程やそれが翌年に繋がって行くという時間の経過も含めて有意義な活動だと感じました。
海のためにできること、人のためにできること、後世のためにできること、そんな大きなことを考える瞬間があってもいいし、ポイ捨てをしないといったような当たり前で身近なことを守っていく、伝えていくというのも大事だなと感じた一日でした。
写真と文章担当。しゃべり好きな人見知り。
基本的には出不精。
妻のRumyに連れられ香川県に。